タバコには、三大有害物質と言われるニコチン、タール、一酸化炭素が含まれており、喫煙を続けていると、各種臓器や組織に障害を起こし、様々な病気を生じやすくなります。特にがん、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)は喫煙による影響が大きく、喫煙関連三大疾患と呼ばれています。タバコが体に悪いと知りながら、喫煙者はなかなかタバコを止めることができません。禁煙が難しいのは、タバコに含まれるニコチンへの薬物依存である身体的依存と、喫煙習慣による心理的依存の2つの依存を同時に克服していかなくてはならないからです。
近年、飛行機・電車・タクシー・そして病院など公共機関にとどまらず、飲食店においても、禁煙の動きが見られます。おまけにタバコは値上がりする一方です。禁煙したいけどきっかけがつかめない方、自力で禁煙したけど失敗した方、『タバコをやめたい』と思っているあなたを当院がバックアップします!
①直ちに禁煙しようと考えていること
②ニコチン依存症テスト(TDS)が5点以上である(*下記参照)
③ブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)が200以上である
(例:1日20本を10年間吸い続けている方、20×10=200)
④禁煙治療を受けることを文書により同意していること
(院内で禁煙宣言書にサインを頂きます)
※加熱式タバコ(アイコス・グロー・プルームテック)も紙タバコと同様の基準を満たせば、保険診療の対象として治療ができます。
※上記の対象とならない方でも、自費で禁煙治療を受けることが出来ます。
*ニコチン依存症のスクリーニングテスト:(TDS)
以下の10の質問のうち5つ以上を満たすことでニコチン依存症と判定される。
1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
2.禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。
3.禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることが
ありましたか。
4.禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。
(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、
脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
5.4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
6.重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
7.タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
8.タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても吸うことがありましたか。
9.自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
10.タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。
初回診察
1)喫煙状況、ニコチン依存度の確認
2)呼気一酸化炭素濃度の測定
3)禁煙にあたっての問題点の把握とアドバイス
4)禁煙開始日の決定
5)禁煙補助薬の選択と説明
再診察(2・4・8・12週間後)
1)禁煙状況の確認や治療薬の副作用のチェック、離脱症状に関する問診
2)呼気一酸化炭素濃度の測定
3)禁煙補助薬の追加処方
*禁煙の途中で治療を中断してしまった方は、初回診察時から1年間は保険適応とはなりませんので
ご注意ください。
日本で一番人気のタバコ銘柄はメビウス(旧マイルドセブン)で一箱580円です。毎日1箱吸うと、禁煙外来の通院期間と同じ12週間では48720円ものタバコ代が必要となります。余談ですが、アメリカ・ニューヨークではマルボロが人気のようで、一箱なんと17ドル! 1ドル=150円としても、一箱2550円もかかります!!(2025年11月20日現在)
*費用等で御不明な点がございましたら、お気軽にご相談下さい。